夢分析における象徴の意味
夢は、わたくし達のこころが自らを見つめ直すためのもうひとつの言葉です。
象徴を通して、無意識がいまの自分に何を語りかけているのか、、
それに耳を澄ますことが、こころの深い理解への入り口となります。
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みなさまはどんな初夢をご覧になりましたか?
これまでに見た印象的な夢はどんなものでしょう?
繰り返し見る夢はありますか?
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今日は夢について考えてみましょう。
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1、夢は、こころが語る物語
夢の中の象徴とは、わたくし達がまだ言葉にできないこころの真実が、形や物語となって姿を現したものです。
ユングは「夢は無意識が語る自然な言語である」と述べています。
(出典:C.G. Jung, The Structure and Dynamics of the Psyche, CW8)
それは論理や説明ではなく、詩のような言葉
― 魂が紡ぐ比喩の世界です。
たとえば、閉ざされた扉、枯れかけた木、遠くに見える光。
それらは単なる「夢の場面」ではなく、あなたのこころが今向き合おうとしている何かの徴(しるし)なのかもしれません。
夢とは、あなたのこころがあなた自身に語りかけている物語。
そして象徴は、その物語の鍵 ― 意識と無意識がそっと出会う場所なのです。
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2、夢はやって来るもの
夢は、わたくし達が意識してつくり出すものではありません。
それは、無意識が自ら語りかけてくるときに生まれるものなのです。
それは無意識からの贈り物。
わたくし達が忘れかけた何か、大切にしてこなかった感情、あるいは新たな可能性 ―
そうしたものが象徴のかたちをとって、静かに扉を叩きます。
ユングはこう述べています。
“The dream is a little hidden door in the innermost and most secret recesses of the soul, opening into that cosmic night which was psyche long before there was any ego consciousness.”
ー C.G. Jung, The Meaning of Dreams, in Collected Works, Vol. 10
その扉が開くとき、わたくし達の意識をはるかに超えた大いなるもの ― 無意識の世界が、
そっとわたくし達に語りかけてくるのです。
河合隼雄も『無意識の構造』(講談社学術文庫)の中で、
「無意識は私の中にあるが、私をはるかに超えている」
と述べています。
無意識とは、わたくし達を包みこむ大きな流れ ― 自然であり、生命そのものの働きでもあります。
夢を通して、その大いなるものがわたくし達に語りかけてくるのです。
3、象徴が教えてくれるもの
夢分析において大切なのは、「この象徴は何を意味するのか?」と即座に答えを求めることではありません。
むしろ、その象徴の沈黙に耳をすますこと ― そこにこころの深層が息づいています。
河合隼雄は、夢についてこう語ります。
「夢の象徴は、心の奥底にあるものが、何とか意識に届こうとして姿をとったものである。」
― 河合隼雄『ユング心理学入門』(培風館、1977年)
この言葉にあるように、夢の象徴は単なる暗号ではなく、
あなたのこころが「意識に届きたい」と願う動きそのものなのです。
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4、夢とともに生きるということ
夢は、時に不安や混乱をもたらします。
けれどそれは、こころがあなたに「気づいてほしい」と差し出しているサインでもあります。
分析や解釈を急がず、夢の象徴に寄り添うとき、
わたくし達は無意識の声を少しずつ聴き取ることができるようになります。
夢を通して、自分の内側に流れる静かな対話を受けとめる―
それは、「今の自分を生きる」ための大切な一歩となるでしょう。
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つくば心理相談室では、夢を通してご自身のこころと静かに向き合いたい方のご相談をお受けしています。
どうぞ安心してお話しください。
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